内部は、埃の侵入を防ぐため密閉されており、フロッピーディスク装置とは違い記録メディアとドライブ、コントローラ、インターフェイスが一体となっている。基本的に金属製の筐体は開けられないようになっており、開けてしまうと埃が内部に付着して壊れてしまう。 ただし、完全に密閉されている訳ではなく、使用時の温度変化に伴う視力回復 内の空気圧の変化に対応するため、1箇所だけ小さな空気取り入れ口が存在する。(埃が入らないようにフィルタ付)磁気ヘッド自体が空気分子により磁性面より幾分浮き上がっているので、温度変化は磁気ヘッドと磁性面の間隔を左右する要素である。空気取り入れ口はこの圧力を一定に保つ役割を持つ。 だが完全に密閉されていないということは逆に、空気が薄いと地面効果が小さくなってヘッドとプラッタがぶつかりやすくなり、真空中では地面効果が発生しないためにヘッドが浮かないため、そのような場所で動かすHDDは完全に密閉するか、地面効果以外の何らかの手段でヘッドを浮かせる必要がある。使用環境については各HDDにおいて気圧(高度)の仕様もある。 ハードディスクドライブの機能を実現している電気部品のうち、駆動系に関わるのはモーターである。ハードディスクドライブに関わる電動機は2つあり、1つは円盤部分を回転させるモーター(スピンドルモーター)、もう1つはヘッドをシークさせるアームを駆動するモーター(ボイスコイルモーター)である。円盤部分を回転させるモーターはダイレクトドライブ方式であり、4,200・5,400・7,200・10,000・15,000rpmが主立った回転数である。 アームの駆動モーターは通常のモーターの形ではなくリニアモーターであり、2枚の強力な磁石(主にネオジム磁石を使う)の間にコイルを置き、このコイルの動きがそのままアームの動きとなる。このようなアームのシーク方式は1993年頃から一般化したが、それ以前のハードディスクドライブには、ステッピングモーターの回転をアームの動きへと変換するリンク構造が用いられていた。この方式はハードディスクドライブ全体の小型化やシークタイムの微小化に不向きであり、現在そのような方式が用いられることはない。 スピンドルモーターやアーム駆動モーターは、サーボ制御によってコントロールされている。スピンドルモーターにホール素子を取り付け、回転数を制御している。この方式は、現在も変わっていない。アーム駆動モーターの位置決めは、古くはステッピングモーターが初期位置を確定すれば絶対座標で制御できることから、サーボ制御は行われていなかった。しかしボイスコイルモーターになった時、アームの正しい位置を知る必要が生じた。エステサロン の頃は、プラッターの1面をサーボ制御情報取得専用に用い、この面から読み取られた座標情報をもとにアームの位置決めを行っていた。現在はアドレス情報を記録データと混在させることにより、アームの熱変形の影響を抑え、さらにプラッターのサーボ制御専用面を廃した。 ハードディスクドライブは起動時にサーボ情報を収集するキャリブレーションと、定期的にサーボ情報を補正するリキャリブレーションを行う。いずれもサーボ情報をメモリに保持し、ヘッドの動作速度を向上させるための動作である。時にこのリキャブレーションが問題となることがあった。Windowsなどで使われたコンシューマー用ハードディスクはサーボ情報収集中、ドライブへのアクセスを待機させても支障は無かった。しかし、FreeBSDなど一部のOSではこの待たされている間にタイムアウトが発生してドライブが切り離され、場合によってはOSがクラッシュするという事態が生じた。このため両者はそれぞれ改良を行い、サーボ情報収集中にアクセスがあった場合にはリキャリブレーション動作を中断してアクセスを受け入れ、またOSはリキャリブレーション動作の可能性を含めたタイムアウト時間を設定した。近年のハードディスクドライブは一度にサーボ情報を読むのではなく、定期的に通常のディスクI/Oに1トラック/1秒程度の間隔で割り込ませ、サーボ情報の補正を行っている製品が多い。アクセスの少ない深夜などで、ハードディスクドライブが「レーシック 」という音を立てることがあるのはこのためである。 ハードディスクドライブには2つの軸受が必要である。1つは円盤下部においてモーター内部の軸を支える軸受、もう1つはヘッドをシークするアームの台座となる部分である。 軸受の種類としてはモーターの回転軸の軸受部にボールを使用した玉軸受(ボールベアリング)と流体動圧軸受(Fluid Dynamic Bearing;FDB)がある。流体動圧軸受はモーターの軸と軸受の間が潤滑油で満たされている。非回転時は軸と軸受が接しているが、回転時に動圧が発生し軸と軸受が非接触状態となる。そのため回転抵抗が非常に低く静音でモーターの寿命も延長できるため、最近は流体軸受の方が主流である。 潤滑油が漏れるのではないか?といった懸念が一部にあるようだが、オイルシール部は撥油膜(潤滑油をはじく)で被われており、大きな衝撃を加えない限りは潤滑油は飛散しない。 流体軸受は潤滑油の粘性により、擦動面に設けられた溝を流れる際に生じる圧力よって軸を軸受から浮上させる。従って、温度が下がって潤滑油の粘性が高く、かつ擦動面が接触している始動時、大きな起動トルクが必要となる。このため、流体軸受を採用したドライブの最大消費電力はボールベアリングを採用したドライブよりも高めになる。そのため使用環境について最低温度の規定がある。 モーターを構成する永久磁石は経年劣化により磁力が弱まり、場合によっては必要な起動トルクを発揮できなくなってしまうことがある。こうなってしまうと、ハードディスクドライブは電源を維持している限りは動作するが、一度電源を落とすと二度と起動しなくなってしまう。この現象は流体軸受を採用しているドライブに顕著だが、ボールベアリング式のドライブでも、ベアリングのレール面が劣化してやはり起動トルクが大きくなってしまった場合に見られる。このような劣化により粒子がHDD内部に散らばることによる不具合もおこりうる。 サーバなど長期運用する装置のメンテナンスを行う場合には、このような事態に備えて事前にバックアップを取ることが推奨される。 プラッタ上の記録密度は、1平方インチ辺り最大で垂直記録で378.8Gbit(2008年9月25日現在)、面内記録で120Gbitの物が製品化されている(2006年2月現在)。このような超高密度になったハードディスクドライブでは、ディスク回転時のプラッタとヘッドの距離は10nm〜10nmであり、タバコの煙の粒子より狭いため、ハードディスクドライブ内部は半導体製造工場並みの無塵度が求められる。 ヘッドとプラッタは、記録密度を支配するハードディスクドライブの美容整形 である。かつてヘッドは、磁気テープ用ヘッドと同様の構造をした、ごく小さな点にギャップを持つ磁気回路に巻き付けられたコイルであった。そして、コイルそのものをエッチングによって微小領域に構成した薄膜ヘッド、そして磁気抵抗効果を利用したMRヘッド、さらに、現在(2006年8月時点)巨大磁気抵抗効果を利用したGMRヘッドから、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMRヘッドへと移行しつつある。さらなる技術開発により、クーロンブロッケード異方性磁気抵抗効果が日立製作所より発表された。これは1平方インチ当たりの記録密度を現在の5倍、1Tbitに引き上げるものとされる。 プラッタは様々な表面処理技術によって進化している(その多くは半導体プロセス技術の進歩の恩恵を受けている)。その応用例の一つとして、IBMが発明したPixie Dust技術(反強磁性結合メディア、AFCメディア)がある。これはディスク表面の磁性体の上にルテニウム原子を3個コーティングして、さらに磁性体でコーティングしてサンドイッチにした物である。この技術は2001年、1平方インチあたりの記録密度を100Gbitに高める可能性を示し、同技術の改良版によって2002年100Gbitに達する製品を実際に発売した。その他に、2002年に富士通がディスク表面に微細な凸凹(テクスチャ)を施し磁性体の表面積を大きくし、記録密度を高める技術を発表した。東北大学の岩崎俊一博士(現東北工業大学学長)が1977年に発明した垂直磁化記録方式は、理論上では水平磁化記録方式よりも安定して高密度化できるが、いくつかの技術的困難があった。2005年に東芝が実用化し、今日の超高密度記録を実現している。さらに東芝では、この垂直磁化記録方式のプラッタに溝を加えることにより磁気の相互干渉を抑えてさらなる記録密度向上を狙ったディスクリートトラックレコーディング(DTR)技術、パターンドメディアレコーディング技術が開発された。現在実用化に向けて研究されている。